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Peach

上映会場:柏市 アートコンプレックス 「MONAIZO」
上映時間:2005年10月15日 10:00〜
上映会場:柏市 柏駅西口のアジアンテイストの”なごみカフェ” 「Cafe Line」
上映時間:2005年10月15日 13:00〜

1998年 ロサンゼルスインディペンデントフィルムフェスティバル・イン・ジャパン 大賞受賞
1999年 ロサンゼルスインディペンデントフィルムフェスティバル特別招待作品(日本映画初)
2001年 キノタヴル映画祭 招待作品 フィクション部門最優秀作品賞、フィクション部門最優秀ビジュアル賞
2001年 ソチ国際映画祭 招待作品 2002年 ハワイ国際映画祭 正式出品作品
1998年/日本語/72分

監督:大塚祐吉

1968年9月30日生まれ。1997年2月に自律神経失調症を患い、その後も不安定な精神状態の中で映画制作を続けている。近年はパニック障害も併発している。

物語

阿部は30歳を目前にして悩んでいた。行き場を失った人間達相手に高利貸しを営む、エキセントリックで金への執着の強いボス石井の下で働き、暴力でしか物事を解決できない自分の姿に嫌気がさしていた。そんな彼の心の拠り所は日課である神社参拝と
無表情で街角でチラシを配る少女・アヤを遠く車の中から眺めることだった。マウンテンバイクでやって来ては、チラシを配り、ファーストフードで食事をして去っていく。阿部の目からは社会との接触を断っているように見えるアヤと触れ合うことで、自分の存在意義を見出せると信じる阿部だが、実際は5メートルも近づけない。
取りたて稼業もうまくいかない阿部に石井は容赦無く制裁を加える。阿部は受けた痛みを石井の債務者で売春婦のユミへの異常な行動で発散させていた。
その頃、石井の愛人・マリは石井の事務所の金庫から金を盗んで姿をくらました。
ユミも阿部の行為が阿部自身を肯定することに利用されていることを感じ、売春婦を辞め街を去る。マリが金を盗んだことを知った石井は手下どもにマリを探しだすよう命じた。もちろん阿部にも。しかし阿部はマリを探そうとせず、借金の取りたてで追い回していた連中を訪ね、あることを依頼する。

解説

当初、短篇版として制作された本作「Peach」はL.A.インディペンデント・フィルム・フェスティバルでの受賞を皮切りに、キノタヴル(モスクワ)でのダブル受賞、ソチ(ロシア)での招待上映等、国際的に高い評価を得た。そして監督本来の意向を投入した待望の完全版が制作され、ハワイ国際映画祭での招待上映へと繋がった。
「Peach」は全篇白黒映像でセリフを一切排除し、音楽とスピーディーな映像だけで、ストリートに生きる若者達の一種独特な世界をリアリティ豊かに描き出す。この手法によって観る者に考えさせる余地を与え、より深みのある人物描写を実現した。
そしてダイナミックな暴力描写の連続、生き生きとした俳優達の演技の積み重ねの果てに病人監督が用意した予想外のエンディングは爽やかな感動を呼び起こすことだろう。

スタッフ

  • 監督・脚本・撮影 大塚祐吉

キャスト

  • 後藤麻衣、星野秀樹、吉田よしてる、工藤公馨、西村千秋
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